間口が狭く、奥行きのある京都の町家を形容する「ウナギノネドコ(鰻の寝床)」ならぬ、「ウサギノネドコ」。昔からこの名で親しまれていた植物の名前が店名の由来です。町家の2階は一日一組限定の宿、1階は「雑貨屋」ですが、店内に美しく陳列されているのは植物の標本や貝殻などで、何ともいえない神秘的な空間をつくりだしています。築70年以上になる町家は、宿として使い勝手がいいように水まわりを整備しつつも、良さを生かして復元、そんな雰囲気とマッチしたアンティークの棚や藤づる、竹などまるで小さな自然博物館のよう。
中でも、オーナーの吉村さんが注力しているのが「ウニ」とのことで、色や形もとりどり、さまざまな種類の殻が整然と並べられています。殻をキノコのかさに見立てた“UNINOCO”も発売中。
もう一つ、ご自身がプロデュースする「sola cube(ソラキューブ)」は、植物を一辺4センチ、透明の立方体の中に閉じ込めたもので、全部で十数種類。決して華やかではないけれど、小さな植物からつながる大きな世界が感じられるはず。付属の説明カードや宙言葉にも注目。